ある年老いたロバの話

Posted on 2012年12月24日

ある日、年老いたロバが古井戸に落ちてしまいました。 ロバの泣き声を聞きつけた農場主は、すぐに井戸に駆けつけました。

その状況を見た農場主は、この深い井戸からロバを引き上げる事は 不可能だろう。。と判断し、他の動物達の安全を考え

可愛そうだとは思ったのですがこの井戸をロバごと、 土で埋める事を決心しました。

そして、農場の仲間を集め、この井戸を土で埋め始めました。

年老いたロバは混乱しました。

「皆、何をしているんだ? 助けてくれないのか?  今までこんなに頑張ってきたのに・・・ なぜ、助けてくれないんだ? なぜ、俺を殺そうとするんだ?」

ロバは悔しくて悔しくて、仕方なかったのですが、 どうする事もできませんでした。

土が背中に当たるたびに激しく痛み、 そして、土がまた背中に当たるたびに悔しく、そして悲しくなりました。

もう、死ぬんだな。 そう思った瞬間、ロバはある事を思いつきました。

「もし、この背中に当たる土を振り払い、落ちた土を足で踏み固めたら・・  土を足で踏み固め続けたら・・ 上に上がれるのではないか?」

そう考えたロバは、背中に土が当たるたびに、 その土を振り払い、足で踏み固め始めました。

土が背中に当たるたびに、激しく痛みました。

想像を絶するほどの痛みを覚えました。 と同時に悲しくなりました。

しかし、ロバは諦めずに何度も何度も振り払い、 土が背中に当たるごとに振り払い、そしてまた振り払い続けました。

振り払っては、踏みあがる。振り払っては、踏みあがる。。

ロバは、何度も挫けそうになりましたが、 自分を勇気づけながら、ひたすら続けました。

今まで信じていた農場主に土を落とされ、 どんなに背中が痛もうと、どんなに泣きたくなっても、

そしてどんなに今の状況が最悪に思えようと、 ただひたすら希望を失わずに続けました。

。。。

そして最後には、疲れ果て、傷だらけになりながらも 井戸を乗り越え、脱出する事に成功したのです。

農場主のロバを殺そうとした行為が、逆にロバを救うことになったのです。

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